[PR] 入院 東京 作品置き場 ... ばか~、私のばか~♪ byオクヤ
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Fateのファン作品置き場(ただし、BL要素多大に有) CPとしては弓士中心。 (時々碧羅が槍弓とか、他のCPをかいています) 掲示板がわりにコメント書いていただけると喜びます。
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昨夜暑くて眠れないとウダウダし、朝になってボケボケのままに
電車にギリギリに乗ったら、いつもと違うのに乗ってて慌てて引き返すも
初めて職場に遅刻しやがった今日この頃。

くっ、足太いくせに軽いフットワークが憎(肉)いわ!

(続きにて そんなこんなで下記 HF イリヤ・アーチャー・士郎 シリアスの続き)
―――

注意:HF イリヤ・アーチャー・士郎 シリアス の通りノーマルエンドねたです。
    メモ帳原文そのままなので、矛盾とか書き損じとかありますが。
    敢えてそのときのテンションのまま、載っけてみますので途中で読んでて
    無理を感じたら、即止めてくださいね★


雨は降り続く、終わりの見えない深い悲しみのように嘆きは止まらない。

家の中を歩き回れるようになっても、自室と居間を往復するだけが俺に出来る唯一だった。
『離れは私の私室よ、レディの部屋に勝手に入ったら許さないからね。』
『土蔵にはガラクタしかなく鍵をかけてある、用が無い限りは決して近付くな。』
道場に行くにも激しく降り続ける雨に、俺はどこにも行けずにただ往復を繰り返す。
せめて自力で歩けるくらいにはならないと二人に迷惑をかけてしまうからと、リハビリに
起き出す俺を少女は心配そうに見上げ、男は黙したまま見下ろした。
「■■■はいっぱい頑張ったんだから、まだお休みしていてもいいのよ?」
十数往復した頃、いつの間にか俺を見つめる赤い瞳に俺は苦笑いを浮かべた。
「ずっと寝てたら逆に疲れてお休みにならないぞ、それにいっぱい頑張ったって言われ
ても……俺には実感がないし。」
欠落した記憶、自分の名前すら呼ばれても分からない欠陥さ。
「実感がなくても本当よ、私はずっとお兄ちゃんを見てたから……」
イリヤの言葉は本当だろう、でも何故か心は休まらない。
降り止まぬ雨が不安を掻き立ててる、何か決定的なことを喪失してるようだ。
「なぁ……俺は、一体何なんだ?」
白き少女に訊ねるには憚られた問いを、お粥を持ってきた男にぶつけてみる。
「何、とは……随分漠然とした質問だな。」
男の言動は勘に障る。
それが分かっているのかこれまでずっと事務的に、必要最小限にしかお互いに話さ
なかったけれど。
「イリヤとおまえは姉弟と言った……ちょっと信じられないけど、でもおまえもイリヤも
自然だから信じられる。」
似てない二人、姉弟より兄妹の方がまだ信じられる二人、だけど一緒にいるときの
空気は本当に二人だけの家族のようだ。
「けど、じゃあ俺は?イリヤは俺をお兄ちゃんって呼ぶけど、それじゃあおまえは俺
の弟なのかってなるよな?……いやそれ以前に俺は、イリヤとおまえの家族なのか?」
記憶の無い自分には二人だけが唯一の指標だけど、どう考えても合わない辻褄に
綻びが見え隠れしていた。
「―――確かに、おまえとイリヤに血の繋がりは無い。だが兄妹であることに変わり
は無い、イリヤはおまえを兄と呼び、そしておまえはイリヤを妹と思っているだろう。」
「じゃあ……おまえは―――?」
「私も、おまえと似たようなモノだ。不本意だが彼女に弟扱いされているが、オレが
彼女を姉のように思っているのは事実だ。」
男の目は揺るがない、ただ静かに俺を見据え真摯な鋼を湛えている。
「そっか……なら、俺はおまえを何て呼べばいいんだろう?」
イリヤはエミヤと呼ぶけれど、それは俺が唯一聞き取れる自分の姓と同音だった。
見た目からは明らかに兄ではあるが、イリヤからすれば弟であるが故に兄と慕われる
身としてはどちらを取ればいいのか分からなくなる。
「―――だ。」
「えっ?」
不意に、低い声が淡々と懐かしい名前を口にする。
「アーチャーだと、そう言った。おまえが私を呼ぶ名はこれで十分だ。」
「アーチャー……っつ!?」
口にした名前に左腕が痛む、焼け付く熱が左から全身に流れ込んで俺を侵してゆく。
「衛宮■■……私はおまえであったが、おまえは私ではない。欠落した記憶で、欠損
した身体で、おまえは私には出来なかったことを成し得た。」
「アー……チャー?」
しかし力強い右腕が俺の左腕に触れると、痛みが和らいでゆくのを感じた。
「今はただ何も考えずに休め、そして出来ればイリヤの我が儘に付き合ってほしい。
―――彼女の願いを、刹那だろうともオレは叶えてやりたいんだ。」
男の言葉は半分も理解出来ないけれど。
「イリヤの願いなら、俺も……叶えてやりたいよ。」
俺の頭をひと撫でする男の大きな掌、その温かさに目を閉じ。
思考を封じて頷いたのは、男と同じように俺もイリヤを思っているからだ。
例えここが、偽りの箱庭だとしても―――悲しみを編んだ檻だとしてもだ。


気付かせないようにする二人に気付いていて、気付かないフリをする。
それでも耳につく雨音は日増しに強くなり、まるで浸水せんとばかりに訴え続けてる。

「また、雨か。」
世界から隔絶するように降る日々に、違和感を覚えずにはいられない。
決して晴れない、聴こえる嗚咽を涸らし切っても、彼女の嘆きが止まることはきっと無い。
「分かってたさ、最初から―――」
庭に出た自分を余さず濡らす雫は重い、いっそ膝をついて懺悔していた方が楽なほど。
一身に受け止めるには零し過ぎて、溺れて一生浮かばぬまま沈んでも、罪は消えない。
「約束したのに……果たせなかった。」
生きて彼女の下に戻る、それだけが彼女と自分を許せる唯一だった。
「なのに、俺は―――っ!!」
彼女を救う、そのために命を賭けて剣を握った。
黄金の輝きで、彼女の未来を斬り啓く代わりに失ったモノ。
「―――病み上がりの分際で……感心しない行動だな。」
灰色の世界に占めていた視界に、鮮やかな赤が広がる。
降り止まない雨から守るように頭から覆い被された聖骸布、それはまるで俺の罪を
少しでも軽減しようとするかのようだった。
「アーチャー……いいんだ、これは俺の―――!?」
払い退けようとした腕を取られ、男は俺を胸に引き寄せて聖骸布ごと抱き締める。
「アーチャー……何を?」
「イリヤが……抱き締めたくなるのが解せないと思ったが。―――どうやら毒されたらしい。」
右腕だけの緩い抱擁、突っぱねれば簡単に解けてしまうのに何故か、振り解けぬ
自分に呆然とした。
「■■……私は既に喪したモノだが、おまえの生き様はオレにとって輝かしかった。」
「何、を……言って―――?」
「イリヤの部屋へ行け、私は土蔵で待っていよう。罪を暴くか、それとも塞いだままか
……おまえの好きなようにすればいい。」
「おまえは、知ってる……のか?」
彼女を、全てを、と問いかければ男は頷き。
俺は一刻も早く少女に出会わなければならないと、離れへと向かった。


イリヤがいる離れの部屋をノックする、白き少女の応対無しに俺はドアノブを捻っていた。
「■■■―――もうだから言ったのに、勝手に入ったりしたら許さないって……お兄ちゃん
はいつも、私の言うことなんて聞いてくれないんだから。」
諦めた声は届かない、イリヤがいる部屋を凝視したまま俺は固まっていた。

『―――■■とお花見がしたいです』

「……く、ら―――」
約束を、した。
「さく、ら―――」
他愛の無い約束を、たったひとつの希望みたいに、大切にしていた約束をした。
「さくら……桜―――桜っ!!」
何もかも忘れた頭で取り戻す、彼女の名前。
けれど彼女はどこにもいない。
「違うわ■■■、桜じゃなくて貴方がいないの。」
「イリ……ヤ?」
蹲る自分と目を合わせ、イリヤは能面のように俺を見つめる。
「桜は無事よ。―――でも、貴方はどこにもいない。」
少女の言葉に安堵を覚える、桜は助かったのかと喜びが零れる。
「ばかっ!どうして笑うのよっ!!」
不意にイリヤが泣き出しそうな顔で俺の頬をペチりと挟んだ。
「シロウはもう、死んじゃったのに―――っ!!」
怒鳴られてショックは受けなかった、寧ろ納得出来たことだ。
俺は無事じゃ済まないって、分かってた。
「俺はいいんだイリヤ、桜が無事ならそれでいい。―――けどイリヤは、ここにいるってことは?」
「私は残念ながらまだ生きてるわ、言ったでしょ?シロウか私、どちらかしか生きていけない。」
「あぁ……そっか、そう言えばそんな話をしたっけ。」
「厳密に言えばお兄ちゃんもまだ死んでないわ、バラバラになった魂を集めて私たちが
引き留めてる。―――ここは現世と幽世の狭間。」
「現世と、幽世?」
「今回の聖杯戦争は正規ではないにしろ、シロウは最後まで勝ち残ったマスターよ。汚染
された聖杯から穢れが取り除かれ、純粋な力に戻った大聖杯……その恩恵で、何とか今
を繋ぎ留めているの。」
「繋ぎ留めてるって、イリヤ!?」
純粋な力はどんなモノかは分からないが、俺を引き留めるために代償になっていることが
あるとするならば。
「心配しないでお兄ちゃん、これは……私が望んだことだもの。叶うことのないと思っていた
願いを、私は自分の我が儘で実現させているだけ。アーチャーは不本意そうだけど協力し
てくれてる。―――何よりも……」
不意に外を見遣るイリヤ、降り続ける雨は変わらずに打ち付けるだけ。
「アーチャー……イリヤ、あいつは―――」
「もう分かってるでしょ、今のシロウには直視出来ないかもしれないけど。―――アーチャー
は、貴方の理想を突き通した英霊エミヤよ。」
「……そっか。」
「シロウは彼の左腕を持っていったまま、彼は私の中に留まったままだったから……貴方の
魂を拾い集め、会わせてくれたの。」
「イリヤ……」
男のことは言葉を交わさずともイリヤ以上によく分かる。
左腕から伝う記録と、何よりもその存在が誰よりも白き少女の望みを叶えたがっていた。
「シロウ、今度こそ私の言う通りになさい。」
妹のような無邪気な笑顔が、一変して大人の表情を覗かせる。
「―――エミヤと私と、シロウは切嗣のお家で一緒に暮らすの。」
抑揚のない声で口にされた望みを、今の俺には壊すことなど出来なかった。


「イリヤとの話は済んだか……」
訪れた土蔵に佇む男は俺を責めることもなく。
「ならばおまえはどうする、望むのならば介錯の手をくれてやろう。」
寧ろ俺の意志を尊重するほどの優しさを見せた。
「馬鹿を言うなよ、おまえはイリヤの望みを叶えたいくせに……それが、偽りだったと
してもだ。」
「―――」
男は沈黙を守り否定しない、だが積極的に肯定しないのは俺のことを考慮しているせいか。
「それに……俺を留めてるのはイリヤだけじゃない。―――桜こそが、俺をここに留めて
いるんだ。」
降り止まない雨、それは今尚嘆き続けている桜の涙だ。
「―――やはり、気付いていたか。」
男は苦さを浮かべる、俺は多分もっと酷い顔をしているだろう。
「最初から、多分分かってた。でもまだ欠けて過ぎていて、それでも桜が泣いているの
が聴こえるんだ。」
激しい雨音、俺にはもう彼女を抱き締めて慰めの言葉をかけることも出来ない。
ただ擬似的に作られた箱庭で、彼女の嘆きが鎮まるのをひたすらに望み、待ち続ける
しか出来ない。

俺の魂を引き留めているのはイリヤではなく、桜だ。

「俺は、許されるならまだここに居るよ。桜の嘆きが止まるまで、イリヤの願い続けるまで
……おまえには迷惑だと思うけど。」
「戯けっ!私は迷惑などと思わん。彼女の気が済むまで、暫し留まるとしよう。
―――おまえはオレになぞ構う余地はあるまい。」
「そうだな……けど、ありがとうアーチャー。」
「っ……何を!?」
「驚くなよ、おまえが俺に腕をくれなかったら桜を助けられなかった。だからありがとう、
最期も今も……おまえが居てくれたから、俺は自分の望みを叶えることが出来たんだ。」
礼を告げれば男は目を見張り、見下ろしてくる眼差しが痛ましそうに揺れた。
「…………礼を言うのは、オレの方だ。貴様は守れた、最後まで彼女をイリヤをも守った。
―――私には出来なかったことを、おまえはやってのけたのだよ。」
「アーチャー……」
「私は、そんな生き方は出来なかった。だがそんな在り方がかつてのオレには出来たのだ
……私こそありがとうだ士郎、愛するべき者を守り抜く手助けが私にも出来たんだ。」
穏やかに微笑む男に、俺は不覚にも胸が震えた。
目の前の英霊こそ、俺が捨てた理想に殉じ貫いた存在なのに、その男に裏切ったモノが
礼を言われてる。
「ばか……俺は、裏切ったのに……おまえに、何ひとつ出来ないってのに―――」
「あぁ……だがそれでも、オレは嬉しかった。戦うだけを望まれた守護者の身に堕ちてから
でも、守るための戦いが出来たのだからな。」
「―――アーチャー。」
一瞬謝りかけ、奥歯を噛み締め言葉を堪えた。
俺にはもう謝る資格なんかない、目の前の男とは既に道を違えてしまった。
「―――ありがとう、エミヤ。」
だからもう一度、心からの謝辞を述べる。
俺の理想だった男の生き様は、死して尚続いてゆく。
一度は抱いた夢、その誇らしい姿の具現に出会えた奇跡を俺は幸せに思った。


雨はずっと降っていた、だけど俺は幸せ者だと思う。
「シ・ロ・ウ、今日こそアーチャーをぎゃふんって言わせるわよ。」
「ふっ、小僧の加勢なぞに負ける私ではないぞ。―――しかしイリヤ、士郎の膝に座るのは
行儀が悪いぞ。」
「ふっふ~ん、いいでしょ~。私専用の座椅子なんだから~、お兄ちゃんの身体に寄りかかる
の気持ちいいのよ。」
「むっ、そんな軟弱な身体なぞ。―――私の方が鍛えてある。」
「や~よ、アーチャーの筋肉硬いんだもの。士郎の方が抱き心地いいもの。」
「くっ……確かに否定出来んが、密着し過ぎではないか?」
「あら、アーチャーはお兄ちゃんに嫉妬してるの?かつての自分なのに?それとも、私に嫉妬
かしら?」
「なっ!?戯け、何故私が嫉妬なぞ!」
「ふ~ん、なら後で特別にお兄ちゃんを貸してあげてもいいわよエミヤ。貴方は私の可愛い弟
ですもの、お姉ちゃんとしては優先させてあげなくちゃ。」
「何を馬鹿な……イリヤスフィール、わ、私は単に小僧を―――」
「もうイリヤって呼ばないとダメじゃないエミヤッ!シロウ、絶対勝って二人でエミヤにお仕置き
しちゃいましょ?」
「なんでさ!?士郎、貴様傍観してないで少しはイリヤの行儀を正したまえ!」
二人のやり取りに俺はただ苦笑うことが常だった。
「ねえシロウ、つまらない?」
イリヤの言葉に首を横に振り、雪のように柔らかい髪を撫でてる。
「つまらないはずはないだろう、士郎?」
男は鼻を鳴らしてそう問いかけ、俺はただ笑みをカタチ作るだけだ。


イリヤの前では表面穏やかさを装った、歪な笑みを見抜かれていたとしても、それでも俺は
彼女の前では精一杯笑った。
それは白き少女の願いを叶えたかったからだ。
「―――桜。」
けれどイリヤが眠っているときは、雨の中に身を浸し彼女を思った。
「桜……桜、さくら―――」
降り続ける雨は冷たい、一身に受ける悲しみの矢に俺は傷つかない。
傷つけるはずもない、これは俺が犯した罪。
傷ついて泣いて悲しんでいいのは桜、俺は傷つきたくても泣きたくても悲しみたくても、そんな
資格も権利も失われていた。
「贖罪のつもりか、衛宮士郎―――」
声に振り返れば、縁側から俺を見下ろすかつての理想が聳え立ち。
「あぁ……悪いかよ。」
軋む左腕を抑えて呻けば、感情の無い眼差しが見据える。
「過ぎたことは戻らん、おまえには彼女の悲しみを癒やす術は無い。」
言われなくても分かっている、生きてこそ俺は桜を守れたのにこの身は既に喪した存在だった。
「それでも雨に……間桐桜が流す涙に打たれ続けることで、己の罪を償っていると?
―――はっ、そんなモノは己を慰めてるに過ぎん。」
痛い言葉だ、だけど反発は浮かばなかった。
「心配、かけてごめんな……アーチャー。」
「何を戯けたことを、私が貴様を心配なぞ―――」
「心配、してくれてるんだろ?けど俺は大丈夫だ、おまえと同じで死んでるし……何より、
自分で痛みを欲してるんだ。―――自業自得だろ?」
男の辛辣な言葉は、ただ俺を案じてる。
俺が暗い面をすればイリヤが悲しむから、だから少しでも罪の呵責を削ごうと怒りを誘発
させる。
「安心しろよ、イリヤにはこんな情けない面出さない。―――出さないから、あんたは
イリヤだけを案じてろ。」
目を見張り息を飲む男に背向け、雨の中に立ち尽くす。
いくら死んだ身でも感覚はあるらしく冷たい、刺すように凍える痛みに身体は既に戦慄き
が止まず。
「…………戯け、放っておけるはずもあるまい。」
縁側を降りた男は俺みたいに髪を滴らせ、歩み寄る。
「濡れるぞ。」
「もうとっくに濡れている……おまえが戻らぬなら私も戻らん、イリヤが眠っている間に
頼まれたからな。」
「―――嘘ばっかり……あんたのせいじゃないのにさ、ばか。」
「左腕を託したのは私だ、半分くらい責はあるさ。」
「でもあんたの左腕がなきゃ、桜が助からなかった。」
「―――だが、おまえは助からなかった。」
見下ろしてくる男の眼差しは、折れることのない鋼なクセにいつだって優しい。
「……アーチャー、俺を殺したかったんじゃなかったのか?」
左腕を通して知った男の記録は、俺への憎しみで綴られていた。
「あぁ殺したかった、だがそれはおまえじゃない。正義の味方で在り続けた衛宮士郎
だけ、目の前の愛する者を守って死んだ男ではないさ。」
理想を捨て、桜を守るために死んだ馬鹿をも救いたかったと告げる男に泣き笑い。
「―――そっか……そうか、じゃあ戻ろうか。イリヤがそろそろ目を覚ましそうだ。」
「あぁ戻ろう、風呂を沸かしてあるからな。イリヤがいるときだけは、彼女の思いに引きずられ
ぬようにな。」
「―――無茶言うなよな……でも、それは俺もおまえも望むことだから。」
「―――あぁ不本意ではあるがね。」
俺たちは顔を見合わせ、成り損ないの笑顔を継ぎ接ぎして笑い合った。


―――――――――
――――――
―――


急に眠気に襲われて、寝てはいけない気がした。
「シロウ?どうしたの、眠いの?」
「う、ん……でも俺、起きてないと―――」
「だめだよシロウ、我慢しちゃ。無理に起きてなくていいんだから、眠ればいいんだよ?」
イリヤの声は甘くて、余計に眠気が襲ってくる。
けれど心地良さに身を任せることを、どこかで拒絶しているのは何故なんだろう。
「ふむ、本当に眠そうだな。布団ならば敷いたままだからな―――そろそろ、眠りに就くがいい。」
アーチャーの声は柔らかに、落ちる瞼を擦る手すら億劫に上げられない。
「ぁ……お、れ―――」
「おやすみなさいシロウ、またねお兄ちゃん。」
少女の声は遠く。
「おやすみ士郎、今は何も考えず……眠れ。」
男の声は遥か。

意識は、もう無い。

―――
――――――
―――――――――

「眠ったのね、■■■。」
「あぁ■■は眠った。」
遠くで、誰かの、音が、する。
「次に目を覚ましたら……どこまで覚えているのかしら?」
「さぁ……だが忘れたとて君は構うまい?」
「えぇ構わないわ、そうしたらまた最初から始めればいい。―――■■■は私の
お兄ちゃんで、■■■は私の弟だって。」
「やれやれ、せめて次は私をお兄ちゃんにしてもらいたいものだな。」
「あら、■■■は■■■を弟みたいに可愛いがりたいの?」
「まさか……ふむ、だが今のこいつならば悪くはないかもしれんな。」
「ふふっ……貴方もやっと、この飯事に本腰を入れる気になったわね。」
「飯事なぞ……■■■、オレたちは家族なのだろう?」
「―――うん、私たちは家族だよ■■■。」

遠い音、まるで、小さな光、集めた継ぎ接ぎは、最後の―――――――――――――――

「―――っつ!?」
夢を見て、目を開けた。
「おはようお兄ちゃん、今日も寝坊だね。」
名も知れぬ白き少女が俺の上に乗り。
「おはよう……貴様は相変わらず寝汚いな。」
名も知れぬ男は俺たちを見て不服そうだ。
「えぇっと、おはよう。」
だから俺は返事をする。
目の前の二人が誰とも知れなくても、最初は家族らしく挨拶を交わしたかった。


―――

次でラストです、お疲れ様です。
衝動で打ったメモ帳14、私的妄想では三人の他愛のない生活風景画がよく
浮かぶのですが……キリがないので割愛させていただきます♪というか
主にアーチャーさんイジリとかなんとか(汗)
暫らく鬱も~どですが、涼しくなるまで辛抱です!暑さを乗り切って頑張ろう☆
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